「大アラファトラは神の階」と言われるように、この大山脈は天然の要害と化しており、有史以来この山脈を敵が超えてきたことはない。つまり、北域は基本的に敵が来ないことを前提とした場所なのだ。
では、北域鎮台はなんのために存在しているのか。これは「帝国人ではあっても、カトヴァーナ民族ではない」山岳民族、シナーク族への危機管理という題目が大きい。彼らとは歴史上、何度も紛争を繰り返しており、そのため兵の任務も彼らに対する示威行動が主となっている。
北域鎮台の司令長官はタムツークツク・サフィーダ中将、補佐はユスクシラム・トァック少佐。北域に住む民衆との折り合いをつけるため、様々な面で便宜を図るといった苦労を始め、ほとんどの実務はトァックが行っている。