「一戦を交える頃合いだ」。そう決意の表情を浮かべるイクタ。だがマシューは、このまま火線防御陣作戦を続けるべきではと疑問を呈す。それに対し、敵が迂回してくる可能性を示唆するイクタ。実は、ガガルカサカン大森林は西で果てるところよりも更に先に細い山道があり、そのまま道を選んで進めば、迂回して帝国軍陣地後方に出ることが可能なのだ。とはいえ迂回は、遠回りした分だけ攻め入るのが遅れるので、アルデラ神軍にとって苦渋の選択となる。一方で帝国軍にとっては迂回されてしまえば撤退時間を稼ぎ切れず、時間切れになってしまうという状況だった。迂回に意識を割かれないために、どうしてもここで一戦を交える必要がある……。こうして、撤退のための直接交戦が始まった――。